Press Release

— summer schoolとは、空間的・時間的に限定された場である。
この未完の場に集められた思考の断片は、それぞれの仕方で読まれ、語られ、運ばれるだろう。 —

この企画は参加者による普段の思考や実践から生まれたアイディアや、未だ実現されていないアイディアを、展覧会という空間 を通じて応用・実践する企画です。会場内にはアイディアに基づいたシルクスクリーンが展示され、観客が思い思いに印刷し持ち帰ることがで きます。「サマー スクール」というタイトルには、「スクール」という教育的・制度的な枠組みから逸脱した場における思考や実践の可能性が含まれており、本企画は展覧会とい う形式をとりながら、敢えて参加者の思考の過程を提示することで、観客がその思考を受け継ぎ、各々の方法で読み解き、自ら応用・実践する ことを目的としています。

企画:後藤桜子、良知 暁
展示構成:増本泰斗
参加者:赤石隆明(アーティスト)、榎本浩子(アーティスト)、杉田 敦(美術批評 / オルタナティブ・スペース art & river bankディレクター)、シャウバ・チャン(「waterfall」、「NOT TODAY」編集・発行人)、趙 純恵(キュレーター、リサーチャー)、羽鳥嘉郎(演出家 / けのび代表)、平倉 圭(芸術理論)、山本 圭(政治学、政治理論)、吉田和貴(アーティスト)、CAMP、Run Amok

パフォーマンス / イベントスケジュール:

「ピカソ他を分解する(部分的に遮蔽された)」
企画: 平倉圭 (芸術理論)
日時: 7月19日(日) 16:00pm 開場 17:30pm 開始
会場: Take Ninagawa

ピカソ他(Picasso et al.)の物体化された思考プロセスを分析し、絵画あるいは絵画をひとつの焦平面とする合生的ネットワークが「考える」とはいかなることなのかを、再帰的に物体化しながら考える。

1977年生。芸術理論。横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院准教授。芸術制作における物体化された思考プロセスについて研究している。著書に『ゴダール的方法』(インスクリプト、第2回表象文化論学会賞)ほか。論文に「断層帯を貫通する―『熱海線丹那隧道工事寫真帖』」(『photographers’ gallery press』)、「多重周期構造―セザンヌのクラスター・ストローク」(『ユリイカ』)ほか多数。作品に《テキスト・山・準‐部分》(ヴィデオ・インスタレーション、リーテム東京工場)ほか。

「imagine sea #02」
企画: 杉田敦 (美術評論家/オルタナティブ・アートスペース art & river bank ディレクター)
日時: 7月20日(月・祝) 7:00am –
会場: info@takeninagawa.com までお問い合わせください。

祝日の制定趣旨「海の恩恵に感謝し、海洋国家の繁栄を祝う」は、imagine seaの危惧を象徴するものだ。またこの日は、1969年、アポロ11号が月面の「静かの海」に着陸した日でもある。
“imagine sea”は「海を想う」イべント。最初は、2012年、長野県塩尻市で行った。塩尻は、塩の道の終端、海から最も遠く隔たった場所である。いまの自分と、最も隔たったものに想いを馳せることができたらと考えた。塩尻と違って、東京は海に面している。その気になれば、すぐにその姿を目にすること もできる。しかしそれは、本当の海なのだろうか?国が所有を主張し、覇権のために争いさえするそれは、誰に対しても開かれているはずの、あの眩いばかりの海ではない。国内外の情勢は、遠ざかりつつある本当の海の姿を、顧みようとする意志を欠くものだ。だからこそ、いまここで、ささやかであれ、海を想おう……

美術批評 / オルタナティブ・スペース art & river bankディレクター。美術批評や美術教育に関わりながら、数多くの企画やプロジェクトを手掛ける。これまでに現代美術に関連する書籍のほか、ポルトガルについて記した書籍を刊行しており、2015年1月には、1755年11月1日に起こったリスボン大震災と2011年3月11日を往還しながら綴られた写真集『静穏の書——白い街、リスボンへ』(彩流社)を発表。

「サマーキャンプ」
企画: CAMP
詳細は展覧会会場(Take Ninagawa)でご確認ください。