Press Release

Take Ninagawaは、マン・レイの個展を開催いたします。

従来写真家としての側面が強調されることの多かったマン・レイは、絵画、彫刻、映像、レイヨグラフをはじめとする多様なメディアにも広く実験的に取り組んできました。今春まで開催されていたメトロポリタン美術館での回顧展など、近年の展覧会では、この広大な実践においてオブジェが果たした中心的な役割がいっそう前景化されています。

本展は、こうしたマン・レイとオブジェをめぐる研究を踏まえ、チェスをアーティストの視覚言語における生成的な仕組みとして考察します。マン・レイにとってチェスは、ゲームや主題以上のものでした。複数の指し手と戦略が交差するフィールドであると同時に、ルールの中で予想外を生じさせ、暴力と性が絡み合う場でもありました。展覧会の中心を成すのは《Giant Chess Set》(1961)、マン・レイ自身が所有し使用した、実際にプレイ可能な彫刻作品です。《Permanent Attraction》(1948/71)は、マン・レイのチェスへの情熱が三つの巨大な木製フォルムへと投影されており、台座となる市販のチェスボードの上でその威容を示しています。

また、吸い殻と灰で満たされた《This is the Thesis》(1963)と共に、紙巻タバコの刺さったキャンディス・リンの陶器作品を、そして感光紙の上で露光されたオブジェが新奇な像を結ぶレイヨグラフと併せて、シュールレアリズムの自動記述を取り入れた瀧口修造のデカルコマニー、露光写真を用いた大竹伸朗の《ブラック・アンド・ホワイト#11》(1989)をご紹介します。

これらの展示作品全体を通して、オブジェ、イメージ、メディアの境界を絶えず越境し続けたアーティストとしてのマン・レイ像を提示します。